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2020/04/14

少しの変化。

昨夜コロナウィルスに関してマクロン大統領から3回目の演説がありました。

これは日本で言う「緊急事態宣言」のような非常事態にだけ許される
大統領から国民に向けてのメッセージ。アロキューションと呼ばれます。
時間はいつも20時から。
お決まりの国歌のマルセイエーズとエリゼ宮、
そして親愛なるフランス国民、同胞へ…
と言って始まるのがお決まりパターン。

ただこれはよっぽどの時だけなので、パリのテロの時以来?
コロナ感染が広がってからは3回目。
1回目は厳重な注意と全学校閉鎖。←学校閉鎖はほとんど予想されてなかった
2回目は全国民外出禁止令。←これはレストラン閉鎖令の直後だったので予想済み
そして今日が3回目。
こんなにアロキューションを頻繁に見るのも初めてです!

日本と違う点は、ほとんどの情報が事前に流れない事。
(正直言って日本の緊急事態宣言はどこが「緊急」なのか拍子抜けの会見でした)
皆んな、その時間が近づくとあー言うんじゃないか、こー言うんじゃないかと
憶測し合ったりして、ドキドキしながらTVの前で食前酒片手に待つ。
大統領はずっとカメラ目線で国民に話しかけるように話を進めていきます。
そして30分ほどの演説後、こーきたか、とその日の食卓はその話で盛り上がる。
国民の伝統行事みたいなものです。あまり良い時には使われませんが。
前回の視聴率は90%に近かかったとか。

2回目の演説の時、マクロン大統領は
「私たちは戦争状態にある」という言葉を何度も何度も繰り返しました。
この戦いに私たちは一丸となって勝たなければならない、と。

今街には警察や自衛隊がたくさんいます。
悪いことをしているわけでは無いのに、外に出る時びくびくしてしまう。
葡萄畑の続く平和なの長閑な村なのに。
すっかり春の陽気で自然も動物もいつも通りなのに。

戦争より酷いかもしれないです。
毎日何千人もの人が命を落としています。
見えない敵を相手に戦う武器も術もわからない。
休みもない。終わりも見えない。
今国民が出来ることといえば人との距離を保って動かないこと。

そして今日の演説。

外出禁止令、レストランなどの閉鎖令は4月15日までしたが
これは国民100%延長になるのはわかっていました。
感染、死亡者は少し落ち着きつつありますが、それでもピーク状態を
保っているだけ。

そして今回「5月11日」という区切りの日を出してきました。
ちょうど4週間後です。

5月11日までは今まで通りの外出禁止の延長。
そしてそれ以降は少しづつ禁止措置を緩和していく、と。
このまま国民が今のようにルールを守って生活をしてくれるのなら、
という前提つきですが。

学校が9月まで休みになるんじゃ無いか?という親にとっては
嬉しくない噂もあったのですが、その日から徐々に再開したいということでした。
地域別になるのかもしれませんが、それは嬉しい知らせ。
やはり迅速な対応だったオンライン学習にも個人差も出てくるし
環境の良くないところに閉じ込められてる子どももいるのです。
学校の再開を最優先する、と言っていました。
ただ、大学の再開は9月からに。

あと、今一番経済的な被害を受けている観光、飲食店などの業界には
4月15日以降さらに対策を考えること。
レストランはどこでもお店の保険を民間の保険会社にかけてるのですが
その中に大抵「自然災害などによる売り上げの損失」に対する項目があります。
それに「ウィルス」は入らない、とどこも保険会社はだんまりを通しています。
それに対してレストラン業界は反対して署名運動をしています。
保険会社にも圧力をかける、ともちらっと言っていました。確約ではないですが。

ただ…やっぱり飲食店、娯楽施設は最初に閉まって
開かれるのも最後です…
私達に対しては5月11日以降も閉鎖措置が続くそうです。
イベントなどは7月中旬まで禁止。EUの閉鎖も続きます。
せめて私達も条件付きでも徐々に、と期待していたので
ちょっと落胆しましたが、全く先の見えない状態だったのが
具体的な時期の提示で少し目処が見えてきた感じです。

どうかこれ以上外出禁止が延長にはなりませんように…

今日テイクアウトを買いにきてくれたシャトーのオーナーから、

今まで既に評判も悪くて顧客がついていないお店はこの影響で潰れていくだろうけど
信念をもって真面目にしてきてきちんと顧客がついているところは
必ず持ち堪えて戻ってくる、この閉鎖期間は本当に長くて辛いだろうけど
あなた達は大丈夫、とにかく耐えて頑張って、と。
本当に嬉しい言葉でした。

私たちの地域は感染も比較的少なく、更に少ない所も沢山あります。
それでも全国一斉に「命令」が出せる国。その分国の負担も大きくなる。
その責任は私が負うので従ってくださいと断言する大統領。
(実際どうなるかは疑問ですが)

それが良いのか悪いのかわかりません。
ここまでしても感染は止められないのです。何とか速度を下げただけ。

今回の演説では、政府側の対応の遅さにも問題があったとも謝罪しました。
その分5月11日の時点で全ての国民に行き渡るマスクを準備すること、
検査の徹底などを約束しました。

今の日本を見ていると不安に思うことは大きいです。
国が責任逃れしてる。
経済対策よりも先ずは感染対策を!
国民がちゃんと言うこと聞いてくれるのがせめてもの救い。
フランスだったらそれこそ暴動です。

そして子ども達にもっと安全に教育が受けられる対策を!
民間では活躍しまくってるビデオ会議やネットやメールを通しての連絡などが
何故学校だけ遅れているのでしょうか?
日本よりもアナログなフランス人でも数日でオンラインの教育体制を整えました。
今まで私はデジタル化してきた教育にはあまり賛成ではなかったのですが
この非常事態には有効だと思っています。
今後も何かで突然休校になった時とか、個人的に学校に行けない期間ができたりした時も
こういうベースがあると助かります。
また日本は学校への対策を「調整」します、という
お決まりの言葉で後延しにするのでしょうか?

フランスはこの状況でも子ども達は教育を受ける権利がある、と
休校最初の週からオンライン授業が始まりました。
生徒だけでなく、先生にとっても親にとっても初めてのことで
完全に手探り状態でした。
私も最初はzoomなんてアプリも知らなかった!
それも1ヶ月経ってすっかり慣れてきました。
1日の時間割も送られてくるので、学校に行っているのと変わらない学習量です。

あと1ヶ月…
私たちは2ヶ月? 3ヶ月??

状況によっては5月11日以降も外出禁止令や学校再開も
延長になる可能性だってあります。
今後数日中にまた新しい対策や5月11日以降の方針などが固まるようです。

来週から学校のイースターヴァカンスが始まります。
その2週間は今までの授業、ではなく宿題が出されます。先生も一息、かな。
ヴァカンス期間はおじいちゃん、おばあちゃんの家に行く子ども達が多いですが
今は親戚内での移動も禁止。
特にコロナに弱い祖父母に孫を預けないように、と通達が出ています。
今年のイースターヴァカンスは孫を預かるのを楽しみにしていた
おじいちゃんおばあちゃんにとっても寂しくなりそう。


今日も快晴。

毎年少しだけ勝手に生えてくるチューリップが
今年は何故かどんどん出てくる!

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柚子の花がこんなについたのも初めて!!

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今年は柚子何個出来るんだ?!

毎日のちょっとした嬉しいことが元気の素。


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